2017年05月05日

ゴールデンウイークの真ん中に

 今日は、ゴールデンウイーク後半5連休のちょうど真ん中の日。養老鉄道に乗車し、終点の揖斐駅からバスに乗り、岐阜県揖斐川町の道の駅「星のふる里ふじはし」へ。
 まず、施設に併設の徳山民俗資料収蔵庫を訪問。自分は、全国各地を広く訪問させていただいているが、可能な限り博物館も見学している。*1 ここは、旧徳山村の展示物が膨大にあるのにまず驚いた。道の駅の先に徳山ダムがあるのだが、それを造るために村全体が水の底に沈んでいる。住民が村を離れる前に、撮影された写真が数多く飾られており、思わず見入ってしまった。思い出のポートレートであると同時に、貴重な資料である。徳山村は1987年に藤橋村に廃置分合された。*2 藤橋村は、その後の合併により、現在は揖斐川町となっている。ダム建設という公益のためとはいえ、住民の心情を想えば切ないものがある。この経緯を映画の主題として、神山征二郎監督による「ふるさと」(1983年)という作品が撮られている。主演は、加藤嘉。モスクワ国際映画祭主演男優賞を受賞している。加藤嘉は、松本清張原作の「砂の器」での演技が記憶に残る。*3 この映画のDVDのパッケージには「僕の村が日本地図からなくなる」というコピーが記載されていて、悲しい気持ちになる。
 膨大な展示品を有する資料収蔵庫をさらにじっくり見ておきたかったのだが、以降のスケジュールの都合もあり、いび川温泉藤橋の湯につかり、隣接のレストラン「星のふる里へ」。かなり混んでいた。


*1 各地の博物館を見学した経験を基にエッセイを執筆したことがある(日本広告業協会『広告ビジネス入門』2015年版)
*2 「ダム事業で消えた村の帰属」長谷部俊治 『ダム日本』720号(2004年10月)日本ダム協会
*3 自分が大学生のときに、名画座で「砂の器」が上映され見に行った。泣ける作品を見たときに、自分は泣いていると悟られることにはずかしい思いがあり、あまり涙をぬぐう行為をしないものだが、この作品に関しては、涙があふれるように出てくるので、両手で涙をぬぐいながら見た。自分のすぐ目の前に座っている初老の男性も声を殺しながらも号泣しているように見えたことが記憶にある。20代の頃、好きな作品として「砂の器」を挙げることが多かったが、力を入れてストーリーを説明していると泣きそうになったものである。加藤嘉が主演をしていることもあるが、「ふるさと」のDVDのパッケージ写真は「砂の器」の情景を思わせるものがある。
posted by 林 秀一 at 18:13| 奈良県 | 更新情報をチェックする