2017年04月02日

「人間の証明」とロケ地経済効果

 4月2日テレビ朝日系でドラマ「人間の証明」が放送された。原作は、森村誠一 *1 の1976年に発売された同名傑作推理小説。1977年の松田優作主演の同名映画は有名。映画のCMでは

母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。

という西条八十の詩「ぼくの帽子」の冒頭部分が主演の松田優作によって読まれ、広く知られることとなった。*2

 終戦直後から1970年代の昭和を背景としている。群馬県の霧積温泉が舞台として登場する。関西では京都や神戸もロケ地として使用されている。印象的に描かれた鈴木京香が演じる八杉恭子に焦点が当たるレセプションパーティーのシーンは、神戸ポートピアホテルで撮影されたようである(神戸フィルムオフィス・ホームページ)。リメイクにおいては、時代設定が現代に置き換わることも多いが、今回は原作と同様に1970年代の想定。インターネットがない頃で、頻繁に黒電話や公衆電話が登場するのがなつかしい(ダイヤルを回すという表現も懐メロに残るだけになってしまった)。ジョー山中が歌った有名な主題歌がカバーされた。歌はATUSHI、演奏はCharという豪華メンバー。*3
 ブルーな気分になりやすい日曜の午後、時間を忘れて見てしまった。ドラマはいったん流れてしまえば、徐々に記憶が薄れてしまう。ただし、そのドラマのファンはロケ地を探索し、実際に訪れる人もいる。聖地巡礼とも呼ばれる。御所市も舞台になっている映画『天使のいる図書館』でも聖地巡礼が行われるのではないか。フィルムコミッションが各地にできているのは、実際に経済効果が見込まれているからでもあり、今後自治体間競争も一層激しくなるであろう。

*1 過去、雑誌関連の業務をしていた時代、森村誠一さんを広告で起用させていただいたことがある。最初の打ち合わせのため、森村誠一さんのご自宅に伺った。業務の打ち合わせを作家の自宅で行うことは珍しいことではない。自宅で執筆されている方が多く、そこが職場であるからだ。しかし、森村誠一さんから後日、丁重なお礼のお手紙をいただき、感激した記憶がある。有名な作家であるのに気配りもすばらしいと感じた。(とても個性的な作家さんも多いのである・・・)

*2 映画のCMが大量出稿されたため、この詩の冒頭部分は、当時広く知られることとなった。ある観光地へのモニターツアーで、群馬県を走っているときに、若いガイドが霧積温泉の話題を出したので「『母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?』で有名なところですね」と言うと、「え、なんですかそれ?」と驚いているので、「西条八十の詩の一節です」と答えたところ、目を丸くして「すごい! 西条八十の詩を暗唱されているんですか。すばらしいですね」と激賞されたことがある。あまりにも驚いているので、「いや、映画のCMで覚えたんですよ。自分くらいの世代であれば、みんな知っています。しかも全文暗唱しているわけではないですし」と言いそびれてしまい、「え、まあ・・・」と口を濁したのであった。

*3 懐かしの歌番組で、Charが登場すると、世代的になじんできた自分は、つい「あっ、Char、Char!」と反応してしまう。家内は少し年下なので、「いつもChar出てくると興奮してるね。それともCharって、口に出して言いたいだけ?」と少し冷ややか。自分と同世代の人は分かってくれるはず。「気絶するほど悩ましい」や「逆光線」は我々の世代はたまに歌う曲。ただ、全国1位の点数を取ったと以前さんざん話題にしたカラオケ店(参照:2016年9月21日 望外の全国1位)では、歌う気がしなかった。難しい曲で、高い点数を取れないと思う(たぶん)。Charは今も現役のギタリストとして活躍しており、リスペクトされている。


posted by 林 秀一 at 17:30| 映画 | 更新情報をチェックする
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