2016年11月11日

大和高田市で映画

 本日は早目に退勤し、お隣の大和高田市で上映される映画を見に行った。通勤には使っていないJR御所駅から高田駅へ。JR御所駅には売店がなくさびしいが、駅舎には風格がある。乗り過ごすと1時間ほど後続電車がないので、少し早目に行って待つ。
 塩崎祥平監督の映画「茜色の約束〜サンバDo金魚〜」が大和高田市本郷町の大和高田さざんかホールで上映された。(「第15回高田夢まちシアター」主催:大和高田市「茜色の約束」上映実行委員会(夢咲塾・市立図書館・地域婦人会連絡協議会))
 塩崎監督(大和郡山市出身)は、葛城地域を舞台にした映画「かぞくわり」(仮題)の製作に現在取り組まれている。
 映画においては、大和郡山の風景が印象的。遠くに近鉄電車が小さく走っていくシーンはタイミングもすばらしい(意図したシーンではないらしいが)。監督は地元に知悉しているので、シーンの当てはめに地元の情景が生かされている。俳優陣もいい。
 大都市ではシネコンがはやりで、いろんな作品を同時に上映しているから効率的に見られるのはありがたいが、*1 地方では映画館がどんどん撤退している。大和高田のさざんかホールで、大きなスクリーンで鑑賞できたことは良かったけれど、やはり常設の小屋で見たい。映画が見たいと思ったときに、見に行ける環境は地方にない。
 中高生やシニア層など広範囲に活動しにくい層は、映画館で見るという行動はレアなものとなっている。自治体で、公共施設でよい映画を見せる活動をしているところは応援したい。無難な文芸映画*2 が選定されることが多いのだが、各方面にヒアリングして、純粋におもしろいものを選んでもいいと思う。

 塩崎監督は「この土地に*3 埋もれている宝物を皆さんと一緒に磨き、まちの発展に貢献できたら」と発言。(『毎日新聞』奈良版11月12日)
 通常、このようなイベントの場合、司会がいるケースが多いのだが、塩崎監督は進行も自分で務めていた。
 終了後の懇親会で、お話しした。映画監督は、神経質だったり、芸術家肌で気難しかったりする方も多いと言われるが気さくな方で安心。

 御所市も舞台になっている映画『天使のいる図書館』が2017年2月11日から奈良県で先行公開される(2月18日以降全国順次公開)。葛城地域観光協議会「葛城地域観光振興シネマプロジェクト」の企画により製作される映画。葛城地域の風景がどう描かれているか、ぜひ皆さんも見てください。*4
 
 本日の催しをご紹介いただいた毎日新聞の藤原さんに感謝!


*1 東京での勤務時は、早目に退勤できる日はシネコンに行き、2本見て、終電近い電車で帰ることをたまにする。
*2 大学で、刑法の教授が「ドストエフスキーの『罪と罰』は、最高におもしろい。そのスリリングさは、推理小説にも負けない。」と絶賛するので、分厚い旺文社文庫で読んでみたが、当時の自分にとっては、あまりにも退屈で、最初の数ページでいやになってしまった。しかし、下巻まで一挙に買ってしまっており、また、「自分は『罪と罰』を読んだ」と言いたいだけのために、ほとんどうんざりしながら、あと何ページと自己を励ましながら読破した経験がある。映画は、原作の中の興味深い個所に視点を当てることが多いから、少しは見やすいだろうが。いとこで『罪と罰』は面白いというのもいたので、楽しめる人もいることは間違いない(そうでなければ、世界的なロングセラーになりえていない)
*3 大和高田
*4 ちなみに、今日乗車したJR御所駅でもロケが行われている。


posted by 林 秀一 at 22:24| 映画 | 更新情報をチェックする

2017年04月02日

「人間の証明」とロケ地経済効果

 4月2日テレビ朝日系でドラマ「人間の証明」が放送された。原作は、森村誠一 *1 の1976年に発売された同名傑作推理小説。1977年の松田優作主演の同名映画は有名。映画のCMでは

母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。

という西条八十の詩「ぼくの帽子」の冒頭部分が主演の松田優作によって読まれ、広く知られることとなった。*2

 終戦直後から1970年代の昭和を背景としている。群馬県の霧積温泉が舞台として登場する。関西では京都や神戸もロケ地として使用されている。印象的に描かれた鈴木京香が演じる八杉恭子に焦点が当たるレセプションパーティーのシーンは、神戸ポートピアホテルで撮影されたようである(神戸フィルムオフィス・ホームページ)。リメイクにおいては、時代設定が現代に置き換わることも多いが、今回は原作と同様に1970年代の想定。インターネットがない頃で、頻繁に黒電話や公衆電話が登場するのがなつかしい(ダイヤルを回すという表現も懐メロに残るだけになってしまった)。ジョー山中が歌った有名な主題歌がカバーされた。歌はATUSHI、演奏はCharという豪華メンバー。*3
 ブルーな気分になりやすい日曜の午後、時間を忘れて見てしまった。ドラマはいったん流れてしまえば、徐々に記憶が薄れてしまう。ただし、そのドラマのファンはロケ地を探索し、実際に訪れる人もいる。聖地巡礼とも呼ばれる。御所市も舞台になっている映画『天使のいる図書館』でも聖地巡礼が行われるのではないか。フィルムコミッションが各地にできているのは、実際に経済効果が見込まれているからでもあり、今後自治体間競争も一層激しくなるであろう。

*1 過去、雑誌関連の業務をしていた時代、森村誠一さんを広告で起用させていただいたことがある。最初の打ち合わせのため、森村誠一さんのご自宅に伺った。業務の打ち合わせを作家の自宅で行うことは珍しいことではない。自宅で執筆されている方が多く、そこが職場であるからだ。しかし、森村誠一さんから後日、丁重なお礼のお手紙をいただき、感激した記憶がある。有名な作家であるのに気配りもすばらしいと感じた。(とても個性的な作家さんも多いのである・・・)

*2 映画のCMが大量出稿されたため、この詩の冒頭部分は、当時広く知られることとなった。ある観光地へのモニターツアーで、群馬県を走っているときに、若いガイドが霧積温泉の話題を出したので「『母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?』で有名なところですね」と言うと、「え、なんですかそれ?」と驚いているので、「西条八十の詩の一節です」と答えたところ、目を丸くして「すごい! 西条八十の詩を暗唱されているんですか。すばらしいですね」と激賞されたことがある。あまりにも驚いているので、「いや、映画のCMで覚えたんですよ。自分くらいの世代であれば、みんな知っています。しかも全文暗唱しているわけではないですし」と言いそびれてしまい、「え、まあ・・・」と口を濁したのであった。

*3 懐かしの歌番組で、Charが登場すると、世代的になじんできた自分は、つい「あっ、Char、Char!」と反応してしまう。家内は少し年下なので、「いつもChar出てくると興奮してるね。それともCharって、口に出して言いたいだけ?」と少し冷ややか。自分と同世代の人は分かってくれるはず。「気絶するほど悩ましい」や「逆光線」は我々の世代はたまに歌う曲。ただ、全国1位の点数を取ったと以前さんざん話題にしたカラオケ店(参照:2016年9月21日 望外の全国1位)では、歌う気がしなかった。難しい曲で、高い点数を取れないと思う(たぶん)。Charは今も現役のギタリストとして活躍しており、リスペクトされている。
posted by 林 秀一 at 17:30| 映画 | 更新情報をチェックする

2017年04月23日

「東京・赤坂見附で御所の特産品を想う」の巻

 赤坂区民センター「懐かしの映画会」で、「雨に唄えば」を鑑賞。今日の東京は、初夏のような日差しの強さ。少し冷たい風が吹くが、天然のクーラーのような心地よさ。振り返ったときに、今年一番気持ちの良い休日の午後といえそうなほど。東京都港区 KISSポート財団が主催。一般のかたを対象に無料で実施されている。*1 昔聞いたTBSラジオで淀川長治さんは、よくこの映画に対して何度も何度もコメントされていたことが記憶にある。先日、御所市滞在中の昼に聞いた番組で、上沼恵美子さんが今上映中の映画に対して、かなり厳しいコメントをされていて驚いたが、自分が好きな映画の代表例として「雨に唄えば」を挙げていた。*2 先日、御所市で開催した写真家・六田さんの講演会が満員となったことからも、このような文化的な催しが求められていると感じた。御所市には映画館がない。名画をスクリーンで観賞しようとすれば、大阪などの都市部へ行くしかないのが現状。御所市でこのような映画鑑賞会を実施できればよいが。
 この後、喫茶店で齋藤アンコーさんと少しお話。映画がお好きだと感じる。川本三郎さんの映画に関する著書では、映画と土地の関連性に述べたものが多々あり、*3 好きでよく読んでいる。これに対して、アンコーさんは、ラジオの最前線で活躍されてきたので、その時代と映画に関わるコメントに興味を惹かれる。夏にある企画を考えていたのだが、その話は実現しなかった。何か違った形で実現できないかと考えている。
 18時に、赤坂見附の四川料理の店。ここは、担々麺が名物なのだが、最近はるさめを使った料理が人気。自分は開店直後に入ったが、人が次々にやってくる。ここのはるさめは緑豆はるさめのようだ。はるさめは御所の特産物。食べながら、いろいろと企画も考えてみた。具現化してみたいと考えている。


*1 ニッポン放送「オールナイトニッポン」初代パーソナリティの齋藤アンコーさんの解説も楽しく、都内にいる際は、駆けつけている。
 年間に3回開催されており、このところ連続して参加者数の記録を更新しているようだ。梅雨の季節の前に、「雨に唄えば」という選定もしゃれている(と感じたが、そこまでは考えていないとスタッフの方が言われていた)次回8月が「戦場にかける橋」。これは、タイトルから受ける印象とはやや違って、好戦的な映画ではなく、終戦記念日の前に戦争のことを考えるためにもいい選定であると思う。

*2 「私は、この映画(今上映中のある作品)に対して、かなり厳しいことを言いましたけどね、これは私の個人的な感想。個人的な。その映画に対して、どんな感想を抱くかというのは、人の自由ですから」とズバズバ言われる一方で、好きな映画も例示されていた。テレビや首都圏のラジオで、ここまで言う方はなかなかいない。しかし、このような明快さゆえに上沼さんは人気があるのであろう。
 
*3 東京都の神保町シアターでは、川本三郎さんがある土地を舞台にした映画をいくつか選定し、それをテーマにした上映を行ったことがある。例えば、2011年には、東北を舞台にした映画を集めて「川本三郎編 東北映画紀行」として28本の映画を上映。自分は、このような企画が好きで、よく見に出かける。
posted by 林 秀一 at 20:17| 映画 | 更新情報をチェックする

2017年06月01日

フィルムコミッションと地域振興〜再び映画「ふるさと」と加藤嘉

 全国各地で、映画やテレビ番組のロケ地の誘致を意図して、フィルムコミッションの活動が盛んになっている。団体旅行が下火になって、観光客の減少が続く熱海は、この活動に力を入れている。近年、観光客が増えているようだ。
 市長との打ち合わせの中でも映画の誘致に関する話が話題になることが多い。
 5月5日の記述*1 で、ダムの底に沈んだ村を素材とした映画「ふるさと」を取り上げた。自分がその地を訪れたから、その話題をとりあげたのであり、映画「ふるさと」を知る人は現在ほとんどいないだろうし、これに再度触れる機会もまずないだろうと思っていたのである。
 ところが、なんと今日発売の『週刊文春』のコラム「春日太一の木曜邦画劇場」第242回に「ふるさと」が取り上げられている。このコラムは視点の当て方がユニークで、内容もおもしろいので、毎週必ず読むようにしている。春日氏も加藤嘉に焦点を当て、「砂の器」にも触れている。「『沈みゆく山村』『農夫』『伝三という役名』−これだけあれば、本作が名作であることはもう約束されたようなものだといえる。この設定の中に『加藤嘉』が置かれると想像するだけで、観る前から既に切ない感情が去来してきてしまうからだ」このような文章を読んでしまうと、目を見開いて「ええっ」と驚いたような加藤嘉の顔が、いやでも浮かんできてしまう。それだけのことに、なぜ感動してしまうのかな。日本が貧しかった時代の連綿とした思い、民族の深いDNAに根差したものか。そんなオーバーなと思う方も多いだろうが、他に理由づけができないのである。*2
 春日氏は、「連載を続けられたおかげで、素敵な作品に出合えた」と結んでいる。ハリウッドの大作もいいが、このような佳作にもっと目を向けたいものである。

*1 2017年05月05日「ゴールデンウイークの真ん中に」
*2 以前、戦後の貧しい時代を背景にしたNHKのドラマで、加藤嘉が主人公の娘の祖父を演じていた。娘が恋人を家に連れてくる。何も出すものがないので、恋人に祖父が大切に少しずつ飲んでいる焼酎を出す。(当時は物不足であり、市場に出回る焼酎は貴重で、お金を出してもなかなか買えなかった時代なのである)加藤嘉が示す"ええっ"と、驚いてショックを受けているような表情が可哀そうで仕方がなかったものだ。何気ないシーンなのだが、今も鮮明に覚えている。主人公の会話でさえ、ほとんど忘れているのに! 加藤嘉だと顔の表情だけで、とてつもない芝居になってしまう。
posted by 林 秀一 at 19:06| 映画 | 更新情報をチェックする

2017年07月13日

地域の真ん中で映画を考える

 M社Fさん来庁。近隣地域の近況に関し、情報交換をしていると、映画の話になる。隣の市で、ある映画のロケが行われる予定があるとの情報をお聞きする。近年、映画を地域活性化の手段として考える自治体が増え、フィルムコミッションの設立も相次いでいる。
 今年2月に公開された「天使のいる図書館」は、奈良県葛城地域でロケが行われた。御所市においても葛城山自然つつじ園、秋季大祭/鴨都波神社、御所まち霜月祭が映画に登場している。
 映画は、長く世に残っていく。世代を超えて話し合えることも特徴。昔は田舎でも、公民館やお祭り会場など、さまざまな場所で、地域の無料映画会が行われていた。サスペンスやホラー映画などではなく、寅さんシリーズなど、みんなが楽しめる種類のものが多かった。スマホなどの普及で映画を見たいときに見ることができるようになったからであろう。時代の流れで仕方のない面もあるが、大きな画面で鑑賞した後、親子や友人で、歩きながら、あるいは電車やバスの中で、または喫茶店やレストランで、今見た映画の話をじっくりする。実に充実した時間であったのだが。
 少し前に銭湯の話を書いたが、地方の映画館の数も大幅に減少している。とくに昔の良質な映画を上映する名画館は、今や大都市にしかない。夏休みなどの時期に、専門の名画館まで出かけなくても昔の映画をじっくり見る機会を作れないものだろうか。*1
葛城地域でロケをした「天使のいる図書館」も時代が変わっても残る映画になるものであろうと思っている。
*1
 東京都の赤坂区民センターで、年に3回行われている「懐かしの映画会」は、プログラムの選定、映画に造詣の深い「アンコー」こと齋藤安弘さんの起用、無料入場の仕組み等が地域住民に支持されている。地域の文化行政担当者にとっても大いに参考になる。次回は、8月6日(日曜日)の開催。映画はウィリアム・ホールデン、アレック・ギネス、早川雪洲が出演の「戦場にかける橋」(1957年英)。
posted by 林 秀一 at 23:36| 映画 | 更新情報をチェックする

2018年02月09日

「マンハント」が公開〜御所市もロケ地 25時(2月10日午前1時)MBSラジオ「福島のぶひろのどうぞ、お構いなく。」で御所市のはるさめが

 名匠ジョン・ウー監督、チャン・ハンユー・福山雅治W(ダブル)主演「マンハント」が本日から全国公開される。朝の情報ワイド番組でも大阪のロケ地マップを示しながら、大きく取り上げられていた。奈良県内においても先日、訪れた宝山寺*1 などと共に御所市内においてもロケが行われた。
 本作は、1976年制作高倉健主演「君よ憤怒の河を渡れ」のリメイク。中国で大ヒットし、高倉健は、これで一躍有名になった。
 明日から、土曜休みの方は3連休となる。たまには映画をゆっくり見たいもの。

 なお、本日25時(2月10日午前1時)から、MBSラジオ「福島のぶひろのどうぞ、お構いなく。」で、御所市のはるさめがテーマとして取り上げられる。
 遅い時間ですが、この番組を聞いて、改めて御所市の特産物はるさめの理解を深めていただければ幸いです。

*1 2018年1月27日「役行者ゆかりの地を訪れる」
posted by 林 秀一 at 00:00| 映画 | 更新情報をチェックする
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