2016年05月23日

地域ブランドの力

 5月の勤務初日。いつも通りの出勤のつもりだったが、途中で、ヤマザキショップを発見。通勤経路なのに、今までまったく気づかなかった。「先月もやってましたか?」と聞くと「何十年もここでやっています」と言われてしまった。不思議。パラレルワールドに来てしまったのか?朝食用のパンを探す。*1

 ヤマザキ「十勝産つぶコーンのコロッケ揚げバーガー」。十勝のブランド力の蓄積は見事である。いろんな食品に十勝が付いている。90年代ころから豚丼人気が急上昇。酪農王国十勝産のバター、チーズも人気を呼び、十勝牛の評価も高まり、十勝ブランドの傘が広がっている。ドリカム吉田美和が出演していた明治北海道十勝チーズのCM展開も大きなフォローとなっている。*2

 長年、雪印〜メグミルクが北海道イメージを売りにしており、その結びつきは強固なものと感じられ、乳製品の売り上げ向上に結び付いていた。このイメージ浸透力を短期間で崩すのは容易ではない。明治は北海道総体ではなく、北海道十勝にイメージの的を絞って、マーケティング展開を図り、それが奏功したわけである。*3

 自分は十勝の出身なので、十勝ブランドの隆盛はうれしいことではあるが、お隣である釧路のブランド力が退潮傾向にあるのは寂しく感じる。幼少期から小学校の前半まで、釧路管内白糠町で暮らしており、釧路のにぎやかだった時代の記憶が脳裏にある。デパート屋上の乗り物で遊んだこともある。(そのデパートもすでに廃業したようだ)逆に、昔の十勝は小豆と十勝川温泉くらいしかない、と思われていた時期もあったのだが。

 夜は、有志で近くの居酒屋Mさんへ。店に詳しそうな某氏に「近くにいい店がありますか?」「あ、ありますよ。豆腐居酒屋。隣が墓地だけどいいですか?」いいも悪いも、候補はそこしかないようであった。もう夜なので、墓地の中を通っていくのは気が進まないが、歩いて行けるところというのでそこにする。しかし、豆腐は予約でしか出さないということで、そうなるとノーマルな居酒屋であった。九州の海産物が多い店。地元の酒も飲み、気持ちよく帰る。


 *1 たまに散歩しているときに考え事をすることがある。そのようなとき、知人に気づかないことはある。「狭いエレベーターの中で、他に人がいないのに、どうして気づかないんですか?」と言われたこともあったな。次のようなエピソードを読んだ記憶がある。古代、中国の有名な学者が、考えごとをしながら崖に向かって歩いていた。しかし、彼に付き添っている弟子は注意するようすがない。その状況を横で見た人が、「なぜ前に崖があって、危険だと先生に注意しないのか」弟子に怒ると、学者がその発言を制し、弟子に向かって「自分が深く考え事をしているときに、口をはさまないおまえこそ、本当の私の弟子だ」とほめたとか。本当かなと思うが、散歩の途中の思考でアイデアが生まれる例はよく聞く。哲学者カントの散歩の習慣も有名なエピソード。自分の場合は、夜に何を食べようかな、などたいしたことを考えていないこともあるので、高名な学者と同列には語れないが(言うまでもないことだが・・・)ただ、すれ違って、無視していると思われるのは印象のいいことではないので、気を付けなければと自戒している。
 *2 サントリー「南アルプスの天然水」のCMも信州の好イメージの情勢に寄与していると推測される。自治体が全国展開のCMを流す財政的な体力に乏しいが、地域の風景が映像として流れた場合の広報効果は大きい。フィルムコミッション活動が各地で盛んである理由はそこにある。
 *3 ブランドをテーマにした講演を行う際は、シャンプーのアジエンス、TSUBAKIの事例などとともに取り上げる。 


posted by 林 秀一 at 22:15| マーケティング | 更新情報をチェックする

2017年04月28日

ホテルへ帰る前に寄ったレシート記載項目を特別公開 〜マーケッターとしての分析も

 午前中、企画政策課打ち合わせ。特産物のブランド化についてなど。午後、市長との懇談の後、市民向けの講演会シリーズのアイディアを練る。
 本日が御所市における4月最後の勤務。
 滞在記を読んでいただいている方から、いくつか質問をいただくことがある。「いつも飲んでいるんですか?」と聞かれたこともある。飲み会のことを書くことがあるので、その印象もあるのであろうが、そんなことはないのである。週に2〜3回という感じ。ただ、ホテルに滞在しているときは、ビールなどを買って帰ることが多いとはいえる。「ホテルでは何をしているんですか?」という質問もいくつか。テレビを見たり、本を読んだりしてくつろいでいる。翌日にスピーチの機会があると、その構想を練っていることもある。ホテルに帰る前はコンビニに寄る。
 当方の専門はマーケティング。コンビニやスーパーの商品チェックは欠かせない。マーケッターは、新しいものに対する感性が欠かせない。新しい製品は、できるだけ自分でも試してみる。現在、御所市産物のブランディングにも取り組んでいるが、そのような姿勢は必要であると思う。そのような感性で、品目をチェックしてみる。以下がレシートの記載項目。

 冷たいパスタカプレーゼ 430
 瓶ビール小瓶A     297
 瓶ビール小瓶B     297
 蒸鶏小松菜ナムルサラダ 148
 極濃カレー麺      224
 鶏そば         216
 ハイボール濃いめ    204
 ◎カシュー&アーモンド 198
 地域限定ビール     223
 コンビニ限定ビール   223
  合計 2460円
 
 この日は、「冷たいパスタカプレーゼ」なるものを夕食にしているが、いつもこんなおしゃれなわけではなく、普通の和食弁当ということも多い。ビールを4本買っているが、普段より多い。飲んだことがない新製品が並んでいて、試してみようと思って買った。つまみはナッツ類が多く、この日も「◎カシュー&アーモンド」を買っている。この商品だけ、レシートに◎が付いているが、意味があるのかな。「極濃カレー麺」は夜中におなかがすいたときのため。この日は食べなかった。普段よりは、たくさん買い物をした印象。栄養士の方に見られると、栄養の偏りを指摘されそうな気がするが・・・
posted by 林 秀一 at 22:31| マーケティング | 更新情報をチェックする

2017年05月25日

今日は雨の御所市内〜唐揚げ人気のマーケティング的考察も

 東京のH社から社長、本部長が当市ご訪問。まず、市役所に来ていただき軽く雑談。その後、車で移動し、市内のお店で昼食会。柿の葉寿司もお食べいただいた。お気に召しただろうか。
 今日はあいにくの雨模様。晴れていると初夏のさわやかな山裾を見ていただけたのだが、雨が降る幽玄な情景も風情がある。
 お昼の後、市内の業者さんの生産現場の見学。興味を持っていただいたようで何より。ただ、供給体制をどう整えるかという観点も考える必要があり、対策を練りたい。
 帰路、鳥の唐揚げを買いたいと思い、店舗に寄るが休業日であった。最近は、コンビニやスーパーにおいて、唐揚げが売れ筋になっている。大分県では長く地元の名産品として食されてきたのだが、近年人気を呼んだ結果、東京進出を果たし、話題になりメディアでも多数取り上げられることとなった。また、スチーム調理器具の普及で、手間をかけずおいしく調理できるようになったことも大きい。昔ながらの塩味、しょうゆ味にとどまらず、スパイシーなソースの味付けなどでヤング層の支持を受けたことも人気を加速した。ごはんのおかずにもなる一方、お酒のつまみにもなるから、ホテルでビールを飲んで一日を締める自分にも最適なのであるが。またの機会を伺うこととしよう・・・
posted by 林 秀一 at 21:07| マーケティング | 更新情報をチェックする

2017年11月06日

外国人に口コミで人気の観光地

 朝のNHKのニュース枠で、口コミで外国人の人気を集めている観光地を紹介していた。私もかつて、外国観光客の誘致キャンペーンを手掛けたことがある。重点地域を定めて、マーケティング戦略を練り上げたが、メディア費用がかさみがちである。マスメディアを使用したキャンペーンは、周知のうえでは効果があるが、費用対効果を考えなければならない。
 ネットが普及している環境下、SNS等の活用が可能である。ここでは、従来の口コミと違って、地理上の近接性にない対象、密接な対人関係を伴わない相手に対しても広がっていく可能性を持つ。ネットでは検索性を有するので、似たような興味関心を有する層が情報を探索して接触してくれる。情報の拡大に大きな可能性を有する。*1
 ただ、外国人といっても国によって、興味、嗜好は大きく異なる。日本の近代的な設備、技術に興味を持つ層がある一方、伝統的な家屋、風土、料理に関心を示す人々もいる。一番いいのは、観光されている方に実地で、インタビューやアンケートを実施できるといいが、それが難しい場合は、観光マーケティングの専門家などにヒアリングして、効果的なコンテンツを探っていくことが有効である。

*1 杉谷陽子「インターネットの口コミの有効性:製品の評価における非言語的手掛かりの効果」上智経済論集,54(1・2),47-58,2009-03がわかりやすく、実務家にも参考になる。
posted by 林 秀一 at 23:09| マーケティング | 更新情報をチェックする

2017年11月28日

他人に影響された買い物の結果〜口コミの効果

 今日は、ほぼ定時の退勤@東京。帰宅途中にスーパーを覗く。
 プリンが大量陳列してあり、売り場で目立っている。OL2人連れが売り場の前に立ち、少し騒いでいる。
「あっ、このプリンここにたくさんあった!」
「これ売れてるらしいね」
「すごくおいしいらしいよ。売り切れだったコンビニもあったらしい」
 聞き耳を立てているわけではないが、すぐ横なので、自然に聞こえるのである。そうまで言われると、その商品を注目してしまう。伝聞情報が多いことが少し気になるが、1回買おうかなと決心。
「プレーンがいいらしいよ」と言って、7-8個まとめてかごに入れている。味が5種類ほどあり、すべてが陳列されていたが、プレーンだけ半分以上がなくなってしまう。横目で見ながら少し焦っていたが、さすがに全部買うわけではないようだ。OLが去り、少ししてから、プリンの棚へ行き、自分もかごに入れたのだった。すぐに買うのは、OLの意見に乗せられたようで、格好悪いと思ったのである(明らかに意見に乗せられているといえる状況だが)
 以前も別のスーパーのカレーの棚の前で、OL2人連れが少し興奮して話している場面に遭遇したことがある。
「このカレー、この間食べてすごくおいしかった!」
「粉というのが本格的だよね」
「うん、棚に並んでいるカレールーと全然違う」
 そこまで言われると、買いたくなる。OLが棚の前を離れて、しばらくしてからそのカレー粉を買ったのだった。理由は同上(苦笑) しかし、このカレー粉は、(自分にとっては)あまりおいしくなく、人の意見に簡単に乗せられてはいけないと痛感したのであった。
 もちろん失敗することもあるが口コミの効果は大きい。マスメディアにおける広告は、その発信内容を少し割り引いて考えられる。発信者は、その物(あるいはサービス)を購入させようと思って広告を出稿しているのであるから、普通はほめることしか言わない。口コミは、利害関係を有していない第三者が発信するという点で信用性が担保されるので、信用されやすい(上記の2つの例のように) 多くの広報予算を活用できない自治体にとっては、口コミが広がっていく仕掛けを考えることは、考え得る選択肢のひとつである。ただ、口コミの発信者自体が当該プロモーションの当事者と金銭面等を含めた密接なつながりがあり、それを隠していた場合は、後になって消費者に厳しく指摘される。*1

*1 ある新商品を買うための行列が話題となり、メディアでも報じられた。ところが、その行列がアルバイト費を渡されて並んだ人たち、いわゆるサクラであることが後にわかったことがあり、非難された。今の時代、この種の仕掛けは、まず隠し通せるものではないことを注記すべきである。
posted by 林 秀一 at 22:00| マーケティング | 更新情報をチェックする

2017年12月21日

「よいお年を」は、11月では早すぎる?〜年々早まるクリスマス商戦も含めて考える

 12月は、年末締めの文書・計画書起案や忘年会など、非常に多忙な時期である。
 忘年会は、年々時期の前倒しが進んでいる気がする。年末間際に実施することを嫌がる社員もあり、11月中旬くらいから実施される。クリスマス商戦も以前は2週間くらいの印象があったが、近年は11月中旬くらいから始まるケースが増え、今は11月にはいってすぐ、クリスマスソングが流れるようになっている。クリスマスの雰囲気に浸れる環境では、消費者の財布も緩むのであろう。先日、正月行事に関して触れた。*1 正月を感じ始める時期としては、11月初旬の年賀はがきの発売、11月下旬・大相撲九州場所千秋楽のテレビ中継が終わる際のアナウンサーの「よいお年を」のあいさつを聞いた瞬間などがあると思われる。*2
「よいお年を」のあいさつは、通常であれば、11月では早すぎるように思われるが、大相撲中継は、11月の後は、1月なので、合理性がある。
 ただ、正月を実感として感じるという意味では、クリスマスの飾りつけが取られた26日、あるいは仕事納めの日の翌日、出勤しないで少し遅く起きた時であるように感じるのだが、どうだろうか。時期的に近接しているので、怒涛のようなクリスマス商戦の渦の中で、目立たなくなっている気もする。年賀状を書いている瞬間は、正月を意識しているのは間違いないが、日本郵政の推奨を聞き流して、仕事納めの日の夜、あるいは翌日に書く人も少なくないように思える。

*1 2017年12月07日「今もお正月に深く関わる年神様伝説〜お年玉、鏡餅、おせち料理、お雑煮、門松の由来」
*2 今年は千秋楽の中継を拝見していない。こう言わないで、中継を締めるアナウンサーがいるかもしれない。
posted by 林 秀一 at 23:56| マーケティング | 更新情報をチェックする

2018年03月06日

たまには、函館塩ラーメン 〜地域ブランド論の観点からみる

 昨日は、春らしい気候であったが、今日は少し気温が低い。
 銀座で、地域創生をテーマにしたカンファレンス。地方から来ている人も多いようである。
終了後、函館塩ラーメン。この店に入るのは、多分15年ぶり。東京では、北海道風味のラーメンを出す店は多いが、函館ラーメンは珍しい。函館ラーメンは、地域ブランドとしての知名度は高く、アンテナショップではよく売れているようだ。ただ、博多とんこつラーメンが東京に進出して以来、こってりした味覚のラーメンが人気を呼んでおり、あっさり塩ラーメンをメニューに載せる店は多くはない。
 北海道は、ラーメンのおいしい地として知られており、札幌のみそ、旭川のしょうゆ、函館の塩が3大ブランドとして確立している。室蘭や釧路が道内第四のラーメンとして名乗りを上げているが、トップ3の知名度に比べるとやや落ちる。地域ブランドにおいては先行者利得が大きく、確立したトップ3の地域を崩すのは容易なことではない。地域ブランドを立ち上げる際、ラーメンがよく候補に上るが、この分野では強力なブランドが既に存在しているので、成功するのは容易なことではない。その点、近年、焼きそばや餃子に着目し、ブランドを確立させた地域はマーケティング戦略が巧みであったといえる。
 自分は、北海道出身ではあるのだが、東京では、むしろとんこつラーメンを食べる機会が多い。ランチでラーメンを食べる機会は少なくないが、過去をさかのぼってみると函館風塩ラーメンを食べるのは、5年に1度くらいの割合か。貴重な機会であった。
posted by 林 秀一 at 22:31| マーケティング | 更新情報をチェックする
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