2016年06月23日

広報レクチャーのことなど(注記の方が長い1日)

 広報部門等へのレクチャー90分。
 自分の専門分野ではあるが、今回は実務担当者向けなので、あまり雑談は入れず、入念に昨夜作った講義メモをもとに。今週の宿は和風なのでデスクがなく、作業向きの環境ではなくメモを作りづらかった。
 業務で忙しい時期はじっくりと講義メモを作る時間がないときもあるのだが、慣れた演題であってもケースやエピソードをバージョンアップするべきと思っている。*1

 夜は、大和八木で、地ビールパブ。合計3人で。地ビールを味わった後にさらに2次会へ。居酒屋Nさん。ここはどの料理もおいしく、かなり水準の高いところだ。満足しながらホテルへ。


*1 最初に外部向けの講義を行ったのは、1990年29歳、会社の北海道支社勤務時代。
 北海道伊達市の専門学校の事務局に所属していた田村正敏氏に職務でご挨拶したときのこと。当時所属していたマーケティング部の名刺を出すと、田村氏が横の部下に「マーケティング論の講師、空席じゃなかったか?」と確認しながら、「マーケティングをうちの学校で教えてください。」と言われたのが最初の体験。田村氏は、元日大全共闘書記長で、1983年の北海道知事選挙で「横路孝弘と勝手に連帯する若者連合」(勝手連)を発足させ、社会党に所属していた横路孝弘氏(後に衆院副議長)を当選させる原動力となった人(後で知ったのだが)。
 「でも今まで、教えたことがありません。」「教えているうちに、慣れてくるから大丈夫です。」「学問的に体系立てて教えられないかも。」「実務に即したマーケティングが一番です、やってくれますね。」で強引に決まったのだった。
 この学校は、会社とは、100kmほど離れており、毎週通うことはできないので、2日間の集中講義を夏と冬に何度か繰り返すことにした。講義3日前深夜に、講師用宿舎に入り、2日前、1日前が講義メモ作り。いつもこの繰り返し。有給休暇のかなりの部分をこの学校にささげたと言ってよい(オーバーか)。
 1日5時間の授業が2日連続。教える方も大変だが、聞く方も大変。生徒が退屈しないように、演習もはさみながら。演習は、「納豆のパッケージ開発」など。スーパーに行って思いついたもの。
 講師用宿舎は、テレビもなく、ひたすら講義の準備をする自分にとっては、最上の環境と言えたが、この宿舎は小さな学校のように広く、かつ、山の上にあり夜は少し不気味。部屋からなるべく出ないようにしていたが、風呂に入るときは出ざるを得ず、そそくさと済ませたものだ。
 食事の記憶はないが、たぶん近くのコンビニかスーパーに行っていたのだろうな。
 朝9時ごろから24時過ぎまで、講義ノート作り。司法試験受験生みたいな感じだ。どうしても飽きてくると、たまに車をとばして洞爺湖を見に行ったりしていた(少し、青春ぽい?)
 今は、さすがにここまではできないが、この講義ノートは後の講演にずいぶん役に立ったものだ。

PS 今日は、注記の方が長くなった。
 以前、早稲田大学メディア研究所で『メディアの地域貢献〜「公共性」実現に向けて』(一藝社・共著)を研究員で分担して出す際に、編著者の先生から「林さんの執筆部分、注の方が長いページがところどころあるけど、直してほしいのですが」と言われたことがあった。
「全体としてみれば、本文の方が長いですし。」
「それは当然ですね。」
「論文などで、ページによって、注の方が長いことありますよ。」と言ってみたが、押し切られてしまった。小説では注の方が長いものがあるし、本文と注が対立して、けんかするするものもあった。
 とはいえ、論文集でそこまでもできないだろうから、書き改めたのだった。


posted by 林 秀一 at 23:55| 広報 | 更新情報をチェックする

2016年10月21日

昨日の衆議院議員会館で思い出したことなど

 政党の広報作業においては、公費で選挙広告を出稿できる。公職選挙法では、立候補の機会均等や候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として選挙公営制度が設けられている。
 選挙費用の公費負担制度により、選挙に関する新聞広告が選挙管理委員会から新聞社に費用が支払われるのである。新聞社には、選挙管理委員会が発行するクーポンを提出する。
 このクーポンは、どのようなものか周囲の誰に聞いてもわからず、前から興味を持っていた。このことに関して、書かれた文書なども見当たらなかった。あまり多くの人がかかわるものではないからであろう。極秘事項でもないと思われるので、書いてみる。*1
 証券証書のようにカラー印刷され、公印が押されたものを想像していた。新聞媒体担当のSに聞いても「自分もわかりません。一度見てみたいですね」と言う。
「明日、選挙管理委員会で、衆院選のための選挙広告のクーポンが配られるんだけど」
「いよいよですね」
「営業担当の自分が委員会に受け取りに行くんだけど」
「はい」
「同行して、そのクーポンを社に持ち帰ってくれないか。自分は、その場で別な打ち合わせがあるので」(ゴクリ)*2 
 その場で別な打ち合わせと言うのは嘘で、高額のクーポンをすぐに他の担当に手渡したかったのである。できるだけ平静を装って言うが、少し緊張感が出てしまい、新聞媒体担当のSも気づいたようで、急に「あ、その時間は、抜けられない会議がありました」と言い出す。
「え、そのスケジュール、今思い出しただろ。そりゃないって」と彼の発言の真偽を確かめようとするが、自分の言い出した打ち合わせも嘘だからなー。押しが弱くなる。結局、一人で受け取りに行くことになってしまった。
 
 選挙管理委員会で当社の名が呼ばれ、クーポンの入った封筒が手渡される。封筒を開けてみると、クーポンが入っている。予想に反してペラペラのわら半紙。公印の部分のみ、赤色で目立っている。証券証書のようなものと思っていたのに、このようなものとは、と驚く。簡単にカラーコピーできてしまう。*3
 もちろん、見かけがちゃちだからと言って、おろそかにはできない(当然)。ただ、聞くところによると、ある広告会社では、デスク上に何気なくクーポンを置いておいたところ、何枚かが下に落ち、気づいた後であわてて拾ったのだが、何度数えなおしても1枚足りなかったという。選挙管理委員会が再発行を認めてくれるのかどうかもわからないし、その後、どのようにして、この事態が収拾されたのか不明である。考えたくもない恐ろしい事態である。一見、ただのわら半紙なので、飛ばされやすくもあり、この話が嘘とも言い切れない。 
 社へ戻る電車でも本などは読まず、クーポンを入れた封筒を必死で抱える。見かけが単なるわら半紙なので(そうとしか言いようがないのである)、これを車内に忘れた場合、いったん拾った人が重要性を認識できず、ポイ捨てする最悪の事態も考えられないではない。
 帰社して、新聞局内担当部署の若い社員にクーポンを封筒ごと手渡す。その際には、
「一見、大したことのないわら半紙だが(何度も言うが)、最高○千万の金額価値を持つクーポンだから。選挙担当者のデスク上には置くな、必ず手渡せよ」と何度も念を押し、渡したのだった。くどく言いすぎたせいか、渡した後、振り返ってみたらその担当者は、クーポン入りの封筒を抱えながら、固まっていた。新聞局の担当部署では、これを金庫で保管するらしい。
 
 プレゼンテーションとはまた違った意味での緊張感を味わった1日であった。
 もう一つ、講演などでは、話せるネタもあるのだが、またの機会に。

*1 選挙はドラマでもあり、他にもいろいろなエピソードはあるのだが、やはり書きにくいことも多いのである。
*2 緊張でつばを飲み込む音(苦笑)
*3 当然のことながら、配布枚数は役所で管理しているので、過剰な請求は不可能である。念のため。
posted by 林 秀一 at 19:30| 広報 | 更新情報をチェックする
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